庭木の健康と美しさを守る!芯止め剪定の手順とポイント
前回は芯止めの基礎知識について説明させていただきました。
芯止めとは、庭木の最も高い場所にある生長点を切る剪定方法です。この方法により生長が抑制され、樹高を低く抑えることができます。具体的には、芯止め剪定では最も高い位置にある枝の先端をノコギリや太枝ハサミで切ります。枝先が分かれている場合は、真ん中の枝を切ります。
それでは実際に、芯止めのやり方や手順、気をつけるべきことや後処理についてまとめていこうと思います。
芯止めに必要な道具について
芯止め剪定に準備する道具は以下の通りです:
太枝切りばさみ:直径が4㎝までの剪定に適しています。切れ味の良い太枝切りばさみを使用し、きれいな断面を作ることで、切り口が腐ったり病気になったりしにくくなります。
剪定用ノコギリ:太い幹や硬い枝に使用します。園芸専用のノコギリを選びましょう。
癒合剤:ノコギリ後の太い幹の切り口には雑菌が入らないように、癒合剤を塗布します。
脚立:芯止め作業に使用する脚立は、バランスが崩れにくい剪定用の3脚タイプがおすすめです。ただし、高所の作業は危険が伴いますので、作業者が2人以上で行うことが安全です。
手袋:作業中は手袋が必要です。樹液でかぶれる可能性があるため、手袋を着用することで保護できます。滑り止めのついた園芸専用手袋を使用すると、脚立の上り降りや道具の操作時に滑りにくくなり、安全性が向上します。
芯止めの手順
芯止めの方法は比較的シンプルで、樹木の頂点にあたる最も高い枝をノコギリやチェーンソーを使用して切り落とすだけです。植物は頂芽優勢という性質を持っており、その植物の最も高い部分に生長点が存在します。この枝を節の直上で切ることで、植物の成長を抑制し、樹高を制御することができます。ただし、芯止めを行う際には、樹木の健康状態や成長パターンに十分注意して作業を行う必要があります。
また、芯止めを施しても生長が完全に止まるわけではありません。新たな枝が再び成長してくる可能性がありますので、定期的に庭木を観察し必要に応じて適切なタイミングで再度芯止めを行う必要があります。庭木の成長に合わせて、適宜芯止めを行っていくことが重要です。
剪定をするときに気をつけたいこと
1.夏の剪定
夏に剪定を行うと、以下のような問題が生じる可能性があります。
夏は多くの木が成長期にあり、剪定した後でも再び枝や葉が伸びる可能性があります。そのため、せっかく剪定しても効果が長続きせず、木の形が崩れてしまうことがあります。
また、夏の成長期には植物がたくさんの栄養を使います。この時期に剪定を行うと、木が栄養を失い、弱ったり枯れたりする可能性があります。特に、花が咲く木などは栄養を多く必要とするため、剪定によって花が咲かなくなることもあります。
したがって夏場は剪定を避けることが望ましく、代わりに冬や春に剪定を行うことで、より効果的な剪定が可能です。
2.切り口はしっかりとケアしてあげること
剪定後の切り口を放置すると、そこから水分や雑菌が侵入して木が弱ってしまう可能性があります。そのため、剪定後には植物の治癒力を高めるために癒合剤を使用することが重要です。
癒合剤は、剪定後の切り口に塗布することで木を保護し、効果的な治癒を促進します。癒合剤は一般にホームセンターや園芸店の薬品コーナーで入手できます。
例えば、「トップジン」という製品は、癒合剤としてよく知られています。パッケージは黄色いので、目印になります。探してみてください。癒合剤の使用方法については、製品に記載されている指示に従ってください。
剪定作業が終わったら
それでは続いて、剪定作業が終わった際の注意ポイントについて紹介していきます。
剪定した樹木と道具のケア
芯止めを樹木に施した後は、以下の点に注意してケアや道具のメンテナンスを行うことが重要です。
①傷口の処理
芯止めを施した際の傷口には、消毒と保護・癒合を目的とした薬を塗ることが必要です。傷口が大きい場合は、適切な薬を用いて処理し、感染や腐敗を防ぎましょう。
②道具のメンテナンス
芯止め作業に使用した道具、特に刃物やチェーンソーなどの刃部分は、樹液が付着している場合があります。樹液が刃部分に残ると劣化の原因となるため、作業後は必ず樹液を拭き取り、清掃を行いましょう。
特に大型の樹木を剪定する場合は、専用の刃物やチェーンソーを使用することが一般的です。これらの道具は正しい使い方と定期的なメンテナンスが重要です。
③定期的な点検とメンテナンス
芯止めを施した樹木や剪定に使用した道具は、定期的な点検とメンテナンスが必要です。樹木の状態や芯止めの効果を定期的に確認し、必要に応じて補修や再処理を行います。また、道具の刃の研ぎ直しや油の補充など、定期的なメンテナンスを行い道具の効率と寿命を保ちましょう。
芯止めを施した樹木や剪定作業に使用した道具の適切なケアとメンテナンスを行うことで、樹木の健康維持と道具の効率的な利用が可能になります。
木の幹や枝の処分について
剪定された大量の木の幹や枝を処分する際には、以下の方法が考えられます。
自治体の指示に従う:各自治体には、木材の処分方法に関する規定があります。可燃ごみや粗大ごみとしての処理方法や受け入れ場所、処分料金などを確認し、指示に従って処分します。
市町村指定の処分場やリサイクルセンターを利用する:市町村が指定する処分場やリサイクルセンターに持ち込むことで、適切な処理が行われます。木材のリサイクルや再利用が促進される場合もあります。
粗大ごみの回収サービスを利用する:粗大ごみの回収サービスを利用することで、自治体が指定した日に木材を回収してもらえます。手配方法や手数料、回収日程などを確認し利用します。
自治体の指定する処分場外受け入れ業者を利用する:自治体が指定する処分場外受け入れ業者に持ち込むことで、適切な処理が行われます。業者によっては有料の場合がありますので、事前に確認して利用します。
木質チップとして再利用する:大きな木材をチップにして再利用することもできます。自治体や業者によっては木質チップの受け入れがありますので、そのような施設を利用することも考えられます。
処分方法は地域や自治体によって異なりますので、事前に確認し適切な方法で処分するようにしましょう。
まとめ
木を放置すると、害虫がつきやすくなり、木の内部が食べられて空洞になる可能性があります。弱った木が自然災害によって倒れると、周囲の建物に損害を与える恐れがあり、また大きくなりすぎた樹木は、近隣の敷地内に落ち葉や枝が侵入して不快感を与えることがあります。庭木が他人の所有物やその人に被害を与えた場合、損害賠償の支払いが必要となることもあるので特に注意が必要です。
これらのトラブルを避けるためにも、定期的な庭木のメンテナンスが大切であり、木が手に負えない場合や、自信がない場合は、プロの業者に依頼することを検討しましょう。専門家は相談や現地調査、見積もりを無料で行ってくれる場合もあります。悩んだときには、ぜひ専門家に相談してみてください。
大住緑栄では、熊本を中心に幅広く個人宅の剪定作業を請け負っています。
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